FDA、GRAS通知義務化の規則案を発表
米国保健福祉省(HHS)長官は2026年8月10日、米国食品医薬品局(FDA)のGRAS(一般に安全と認められる物質)に関する規則案を発表し、この規則案は8月11日に連邦官報に掲載されました(「Substances Generally Recognized as Safe」、Docket No. FDA-2025-N-3262、RIN 0910-AJ02)。企業が自ら原料をGRASと判断し、FDAへ通知せずに流通させてきた自己GRAS(Self-GRAS)の慣行を見直す内容です。ただし、現時点では規則案(Proposed Rule)であり、最終規則として確定したものでも、施行中の規定でもありません。
規則案の主な内容
対象となる規定は、人用食品に関する21 CFR Part 170と、動物用食品に関するPart 570です。提案では、GRASの規定に基づいて原料を流通させる事業者に対し、その使用条件でGRASと判断した根拠をFDAに通知することが求められます。ペットフードを含む動物用食品の原料も対象です。
一方、通知義務には次のような例外も提案されています。
- 同じ使用条件について、FDAから「異議なし(no questions)」との回答を受けた原料
- 21 CFR Part 182、184、186にGRASとして掲載または確認されている原料
- 動物用食品については、AAFCOの飼料原料定義に該当する原料など、別途設けられた例外
既存原料への対応と今後のスケジュール
最終規則が確定した場合、施行日は公布から60日後、遵守義務の開始は施行日から18か月後と提案されています。施行前から流通している自己GRAS原料については、正式な通知に代えて、施行日から1年以内に簡略化された資料を提出できる仕組みが提案されています。意見提出期限は2026年12月9日です。
FDAの既存の180日間の回答期間は維持され、正式な受付前の初期審査は45日以内に完了することが提案されています。提出された根拠資料とFDAの回答はGRAS Notice Inventoryを通じて公開され、通知を行っていない事実は、FDAが市販後の審査対象を決める際の考慮要素になるとされています。
なお同日、HHSと米国農務省(USDA)は、超加工食品(UPF)の定義案を最終検討に付したと発表しました。定義の具体的な内容はまだ公表されていません。
米国向け輸出企業が確認したいポイント
発酵抽出物、新しい植物由来原料、機能性素材などを自己GRASとして米国に供給してきた企業は、原料ごとに通知が必要となるか、根拠資料が十分かを早めに確認しておく必要があります。資料が公開される仕組みも提案されているため、根拠の整合性と説明の明確さがこれまで以上に重要になります。
Pacific FDAのサポート
Pacific FDAは、米国向け輸出に必要なFDAへの登録手続きをサポートしています。米国の規制について気になる点がございましたら、お問い合わせください。
よくある質問
Q. GRAS通知の義務化は、すでに始まっていますか?
いいえ。2026年10月時点では規則案(Proposed Rule)の段階であり、最終規則として確定、施行されたものではありません。
Q. 規則案では、どのような原料が対象とされていますか?
人用食品と動物用食品の原料が対象として提案されており、ペットフードの原料も含まれます。ただし、FDAから「異議なし」の回答を受けた原料や、21 CFR Part 182、184、186に掲載されている原料などの例外も提案されています。
Q. 意見提出期限はいつですか?
2026年12月9日です。
- Federal Register 2026-16296: Substances Generally Recognized as Safe(2026年8月11日掲載)
- HHS: Fact Sheet: HHS Announces Proposed GRAS Rule(2026年8月10日)
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の事案についての判断は、最新の法令とFDAの案内をご確認ください。






